家を作るということ

  

 「人の顔がみな違うように、家はそれぞれ個性を持つべきだ」(アメリカの建築家、巨匠フランク・ロイド・ライトのことば)その通りだと思います。住む人、一人一人に異なった生活(趣味、思考、生き方、生活感)があります。その人に合った空間、機能、材料、形を持った家でなければなりません。単に生活の場を造るのではなく、住む人の立場に立った、夢のある家庭生活の場を考えなければなりません。
 また、年々住む人の環境、年齢、生活、家族構成も変化していきます。その様な変化に対応し、家族の成長・発展を包含できる住み継がれる家でなければなりません。

 

 

 

 面白い話をします。ある建主の話です。その方は雑誌を見て大変気に入った有名な建築家がいました。家を建てる時にはぜひその建築家と決めていました。
 家を建てることになり、やっとその建築家と打合せをしました。随分月日を待たされ、出来た家はその建築家の好き放題の家でした。いや、建築家の作品でした。建築専門誌に出てくる生活感のない、しかし独特な空間を持ったどこから見ても目を惹く家です。
 数ヶ月後その建主の住んでみた感想です。「夏は暑く、冬は寒く、メンテナンスや掃除に手間がかかり、生活の維持費も普通の住宅よりかかります。決して住み良い家ではありません。しかし私はとても気に入っています。その建築家に家を建てていただいてよかったと思っています。」以上です。

 これは建主の自己満足の世界だと思われますが、確かにこの家は住みにくそうでも、この建主にとっては最高な家なのです。「建主に満足される家」を造ることが一番と思われる内容でした。

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